ディープテック特化型ベンチャーキャピタルの Beyond Next Ventures は11日、新たな人材発掘プログラム「INNOVATION LEADERS PROGRAM PEAK TRIAL」の開始を発表した。同プログラムではディープテックスタートアップの創業経営者の輩出を目指し、世界展開を見据えた技術シーズの事業化を担う人材を広く募集する。
2014年8月の創業以来、ディープテック領域のエコシステム構築に注力してきた Beyond Next Ventures。同社が運営する「INNOVATION LEADERS PROGRAM」シリーズは、これまでに500人以上のビジネスパーソンに対して、国内有数の研究者とのスタートアップ創業の機会を提供してきた。
新プログラムとなる「PEAK TRIAL」では、Beyond Next Ventures が創業経営者候補を応募者の中からスカウトし、技術シーズを有する研究者とのマッチングが成立した参加者は、スタートアップの創業準備に進むことができる。活動期間中は同社のベンチャーキャピタリストが伴走するなど、より確実な創業を後押しする体制を整える。
事業化に挑む技術シーズは、医療ヘルスケア、食・農業、バイオ創薬、デジタル・宇宙、クライメートテックの5つの領域。具体的なシーズの内容は、選考を通過した候補者に個別に案内される。
同社は2024年7月に3号ファンドを257億円でファイナルクローズしており、ディープテック領域への投資を強化している。このファンドでは、1社に対する最大累積投資金額を20億円に引き上げ、運用期間を11年に設定するなど、長期的な視点でスタートアップの成長を支援する構えだ。同ファンドの組成完了により、同社のファンド運用総額は約480億円にまで拡大している。
2024年8月には INNOVATION LEADERS PROGRAM の16期、17期の募集も開始しており、ディープテック領域における人材育成に継続的に取り組んでいる。このプログラムでは、アグリ・フード、再生医療・創薬、バイオ・微生物、環境・エネルギー、半導体・デバイス領域などの分野で、ディープテックスタートアップの経営者やCXO候補となるビジネスパーソンを50人募集している。
また、2024年6月にはディープテックスタートアップ創業プログラム「APOLLO」の第3期客員起業家(EIR)募集を開始するなど、多角的なアプローチでディープテック領域のエコシステム強化を企図。APOLLO は12カ月間のプログラムで、EIR と Beyond Next Ventures が共同で世界展開を見据えた事業を創出することを目指している。
同社の取り組みは国内にとどまらず、2024年2月には海外在住の日本人研究者・留学生向けの就業体験プログラム「BRAVE GLOBAL」を開始した。このプログラムでは、日本のディープテックスタートアップでの業務を通じて、そのダイナミズムを経験し、スタートアップへの理解の促進、キャリアの選択肢を広げる機会を提供している。
これまでに、研究成果の事業化推進プログラム「BRAVE」を通じて53社の起業を実現させ、INNOVATION LEADERS PROGRAM からは50人以上の CXO を輩出してきた。また、IPOが2件(サスメド、QD レーザ)、M&Aが6件(レパトア・ジェネシス、Bolt Medical 等)というイグジット実績もある。
加えて ESG やインパクト投資にも注力しており、2023年12月に ESG に関する基本方針と ESG ガイドラインを策定し、2024年3月には PRI(責任投資原則)へ署名した。また、インパクト志向金融宣言にも署名し、インパクト測定・マネジメント(IMM)ポリシーに従った投資を推進している。
via PR TIMES
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