11〜12日の2日間、スタートアップへの投資・育成事業を行うインキュベイトファンドが開催する起業家と投資家の合同合宿「Incubate Camp 17th」が 、千葉県内のホテルで開催された。
Incubate Camp の参加対象となるのは、シードラウンドでの調達を求めているスタートアップに加え、すでにサービスをリリース済で、追加の資金調達やサポートを希望するスタートアップだ。2日間にわたって、スタートアップ16社をインキュベイトファンドの代表パートナー、ゲストベンチャーキャピタリストがメンタリング。2日目には、審査員17名を交えたプレゼンテーションが実施された。
Incubate Camp 事務局により Incubate Camp に参加するスタートアップは初期選考段階で絞り込まれ、さらに、VC 複数社で構成される選考委員会によって16社に絞り込まれた。メンタリングを提供する投資家、受ける起業家以外に、今回からは、オーディエンス投資家50人、オーディエンス起業家50人も招待された。
入賞の是非とは別に、参加スタートアップはゲストベンチャーキャピタリストから投資を受けられる可能性があるほか、スポンサー各社からは Web サービスの無料利用権など特典が進呈される。審査員らからは、いくつかのスタートアップに将来性を認められたとの声も上がっていたので、今回の Incubate Camp を経て、新たにいくつかの出資が実施されることになるだろう。
本稿においては、プレゼンテーションで披露されたサービスの概要についてお伝えしたい。個々のサービスの背景や詳細などについては、随時 BRIDGE で取材を進めていく予定だ。
Incubate Camp 17th のプレゼンテーションで審査員を務めたのは、
- デライト・ベンチャーズ マネージング・パートナー 浅子慎太郎氏
- SMBC 日興証券 執行役員 尾塩俊彦氏
- グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 仮屋薗総一氏
- Coral Capital 共同創業者・パートナー 澤山陽平氏
- フォースタートアップス 常務取締役 兼 タレントエージェンシー本部長 恒田有希子氏
- DBJ キャピタル 代表取締役社長 新美正彦氏
- TBS イノベーション・パートナーズ 代表パートナー 西川直樹氏
- 三井住友銀行 成長開発事業部 副部長 保泉学氏
- マクアケ 共同創業者/取締役 坊垣佳奈氏
- セガサミーホールディングス 投資戦略部部長 堀江悦子氏
- Eight Road Ventures パートナー 村田淳一氏
- フジ・スタートアップ・ベンチャーズ 若月賢一氏
- インキュベイトファンド General Partner 赤浦徹氏
- インキュベイトファンド General Partner 本間真彦氏
- インキュベイトファンド General Partner 和田圭佑氏
- インキュベイトファンド General Partner 村田祐介氏
- インキュベイトファンド General Partner Paul McInerney 氏
…の皆さん。司会はインキュベイトファンドの HR ディレクター壁谷俊則氏、主将はインキュベイトファンドのアソシエイト松本美鈴氏が務めた。
【優勝】【ベストグロース賞2位タイ】iiba by iiba
(メンタリング担当:投資家 立岡恵介氏)
iiba は、子育て世帯向けのマップサービスを提供している。このサービスは、子連れでのお出かけに特化しており、目的地や周辺情報を提供するだけでなく、ユーザの口コミコンテンツも活用している。ママたちの推奨する場所が地図上にプロットされ、そのデータの蓄積により、より詳細な情報提供が可能となっている。また、ユーザ同士の交流によるポイント獲得や、店舗で使えるクーポンなども提供しており、お出かけ前から後まで一貫してサポートする仕組みを構築している。
この事業は、インフルエンサーの活用により、広告費をかけずにユーザ数を増やすことに成功している。さらに、自治体との連携を進めており、子育てパスポート事業のデータ連携を行っている。これにより、事業者向けの有料プラン掲載も開始し、収益化を図っている。将来的には、子育て世帯向けの決済カードの展開も視野に入れており、2028年には50億円の売上を目指している。孤独な子育てという社会課題に対して、新たな子育てインフラの構築を通じて解決を図ろうとしている。
【準優勝】MUSHIKAGO by Powder Keg Technologies
(メンタリング担当:Globis Capital Partners 福島智史氏)
Powder Keg Technologies は、AI を活用した全自動のペネトレーションテストサービスを提供している。従来のサイバーセキュリティ対策では、導入後の有効性確認が不十分であった課題に着目し、実際のサイバー攻撃を模した検証を行う。同社のハードウェアデバイス「MUSHIKAGO」を企業のネットワークに接続することで、自動的に攻撃シミュレーションを実行し、セキュリティリスクを可視化する。これにより、従来の手動診断に比べて低コストかつ高頻度な検証を可能にしている。
同社の成長戦略は、まず診断サービスの市場シェアを確立し、その後機能をアップデートしてインフラ領域へと拡大する計画である。さらに、検証で発見されたリスクに対するソリューションや保険商品の提供も視野に入れている。金融庁による金融機関へのペネトレーションテスト実施要請など、追い風となる市場環境も存在する。多様なバックグラウンドを持つチームで、「最強の攻撃力」を持つことで最適な防御を実現し、持続的かつ安全なデジタル空間の創出を目指している。
【3位タイ】【ベストグロース賞1位】【スポンサー・オーディエンス賞】Josan-she’s by Josan-she’s
(メンタリング担当:伊藤忠テクノロジーベンチャーズ 中野慎三氏 & インキュベイトファンド 和田圭祐氏)
Josan-she’s は、助産師と妊産婦をつなげるサービスを提供するスタートアップで、特に産後ケアの分野に注力している。スマホから助産師にオンラインで相談できるだけでなく、訪問依頼も可能なハイブリッド型のサービスが特徴だ。妊娠中から出産後まで、一貫したケアを提供することで、母親の不安を軽減し、安心して子育てができる環境を整えている。特に助産師による質の高いサポートが強みとなっており、女性の健康と育児を包括的にサポートしている。
さらに、Josan-she’s は 自治体や企業と提携し、産後ケアを社会全体で支える仕組みづくりにも取り組んでいる。例えば、三菱地所と共同で産後ケアホテル「YUARITO」のオープンをサポートし、さらに少子化対策の一環として2024年の「こどもまんなか実行計画案」にも提言を行っている。創業者自身が助産師であることや、経験豊富なビジネス人材を擁することが強みとなっている。日本の出産・産後育児を世界最高のモデルにすることを目指し、妊産婦の自殺率低下など、社会課題の解決に取り組んでいる。
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【3位タイ】Meech by LOKIAR
(メンタリング担当:DIMENSION 宮宗孝光氏)
LOKIAR は、食品の物流に特化した支援サービス「Meech」を提供している。元総合商社で食品物流を担当していた経験を活かし、メーカーと物流業者のマッチングを行っている。日本の食品物流市場は8,250億円規模だが、物流業者の99%が中小企業であり、2030年には34.1%のドライバー不足が予測されている。この課題に対し、同社は物流マッチングサービスと TMS システムを提供し、売上50億から500億円規模の中堅企業をターゲットにしている。
同社のサービスにより、顧客は大幅なコスト削減を実現している。例えば、ある顧客は年間6,000万円の物流費を2,000万円以上削減できた。さらに、東京大学との共同研究でアルゴリズムを開発し、データを活用した最適化を進めている。今後は顧客数を増やし、3年で売上34.5億円を目指している。また、卸売業者へのアプローチも計画しており、DX 物流マッチングを起点に、食品に特化した物流プラットフォームの構築を目指している。
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【ベストグロース賞2位タイ】HerLifeLab by HerLifeLab
(メンタリング担当:JAFCO 沼田朋子氏)
HerLifeLab は、更年期の女性向けにオンライン診療サービスを提供している。日本では更年期障害に悩む女性が多いにもかかわらず、適切な治療を受けている人は少ない。その原因として、根本的な問題解決ができていないこと、医師が治療薬の処方に消極的であることなどが挙げられる。HerLifeLab は、詳細な問診と看護カウンセリングを通じて不調の真の原因を特定し、それに合わせたソリューションを提供する。
このサービスの特徴は、看護カウンセラーの存在と継続的なフォローアップにある。結果として、症状改善率や継続率が高く、既存の治療継続率の約20倍を達成している。ビジネスモデルとしては、医療機関と連携し、月額約15,000円の自費診療サービスを提供している。将来的には蓄積されたデータを活用して AI を開発し、更年期治療の質を向上させることを目指している。また、女性が自身の不調をマネージできるようになることを長期的な目標としている。
【森ビル賞】【スポンサー・オーディエンス賞】RETURN TO NATURE 循環葬 by at FOREST
(メンタリング担当:Bonds Investment Group 野内敦氏)
at FOREST は、「循環葬」という新しい自然葬サービスを提供している。これは、少子高齢化に伴う管理不能な墓地の増加や墓じまいの増加という社会問題に対応するものだ。循環葬は、火葬後の遺骨を微生物の多い土地に埋葬し、自然に還す方法を採用している。従来の樹木葬と異なり、実際の森を使用し、墓標を立てないことで埋葬数の制限をなくし、持続可能な循環型のシステムを実現している。
このサービスは、管理費が不要で自然に還れる上、墓参りの場所も確保できるという利点がある。at FOREST は寺院とパートナーシップを組み、BtoBtoC のレベニューシェアモデルで運営している。現在、大阪で48万円からのプランを提供しており、年間15万人の潜在顧客を見込んでいる。また、自治体との連携や海外展開も視野に入れており、日本の森林資源を活用しながら、環境保護と新しい葬儀のあり方を提案している。
【三井不動産賞】【HATARABA 賞】Pocta by アウトラウド
(メンタリング担当:ANOBAKA 長野泰和氏)
アウトラウドは、BtoB 向けの営業支援 AI「Pocta」を提供している。従来、エンタープライズセールスは時間がかかり、職人技と言われる分野だったが、このサービスはAIを活用して大幅な効率化を図る。具体的には、過去の提案書をアップロードするだけで、AI が商談の取得からアポイントの設定、提案資料の作成まで行う。これにより、営業活動の64%を占める非商談時間を大幅に削減し、生産性を向上させる。
ターゲット市場は主に IT、製造、広告業界だ。サービスの価格は月額10万円からで、従業員数に応じて拡大可能だ。今後のロードマップとしては、SFA 連携やマルチモーダル対応、さらには AI セールスエージェントの開発を予定している。創業者たちは20年以上のエンタープライズセールス経験を持ち、生成 AI 時代の SaaS 市場で急成長を目指している。シリコンバレー発アクセラレータ「AlchemistX」にも採択され、国際市場への展開も積極的に進めている。
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【GMO ペイメントゲートウェイ賞】SAZO AI by SAZO
(メンタリング担当:W fund 新和博氏)
SAZO は、AI を活用して全世界の越境 EC 市場を統合し、ユーザが世界中の商品を簡単に購入できるプラットフォームを提供する。従来の越境 EC サービスでは、決済や配送、関税手続きなどの複雑な課題があったが、SAZO はこれらを AI で解決する。ユーザは日本語で商品を検索し、AI が世界中の EC サイトから情報を収集、関税や送料を予測して一括で購入できるシステムを構築している。
現在は韓国の商品を日本市場に直輸入するサービスを展開しており、特に韓流ファッションやコスメに注目が集まっている。同社のチームは若手とベテランで構成され、7割がエンジニアリング部門という技術力の高い組織となっている。日本と韓国市場での検証を経て、2026年以降は AI とプラットフォームの基盤を活かして多国籍展開を図る。2029年までに10カ国からの購入を可能にする。
【電通賞】ReList by nook
(メンタリング担当:Genesia Ventures 田島聡一氏)
nook は、AI を活用して直感的に洋服を探せる2次流通マーケットプレイス「ReList」だ。従来のECサイトでは言語化が難しい洋服の雰囲気や好みを、AI が理解し、ユーザの求める商品を推薦する。年間1兆円規模とされる中古ファッション市場において、現状では満たされていない潜在的なニーズに応えることを目指している。特に Z 世代を中心とした若い世代のファッション探索ニーズに焦点を当てており、新しい購買体験を提供することで市場に革命を起こそうとしている。
ReList の特徴は、独自開発した洋服特化型のビジョン・ランゲージ・モデル(VLM)にある。この AI モデルは、画像と言語の両方を扱い、ユーザの好みを学習しながら精度を高めていく。ビジネスモデルは、サプライヤーから商品を集めてユーザに届ける仲介型で、特に古着業者との連携に注力している。将来的には、年商710億円、取扱高87億円を目指しており、日本発のグローバル企業となることを視野に入れている。
StoreHero by StoreHero
(メンタリング担当:Skyland Ventures 木下慶彦氏)
StoreHero は、ECサイト運営を効率化する SaaS プラットフォームとプロフェッショナルサービスを提供する事業である。EC サイトの運営には多数のアプリケーションが必要だが、それらを個別に管理するのは困難である。StoreHero は、これら30以上のアプリを1つのインターフェースで統合し、広告運用やサイト改善、在庫管理などを一元化して効率的に行えるようにする。さらに、EC プラットフォームに精通したコンサルティングや開発サービスも提供し、顧客の売上向上を支援する。
さまざまな業界に対応可能だが、特にファッションや飲食、美容分野での導入事例が多い。Shopify の「Inspiring Partner of the Year 2023」賞を受賞しており、成長支援プラットフォームとして高い評価を得ている。海外展開や複数ストア対応も視野に入れ、さらなる成長を計画している。デジタルマーケティングや EC の専門家で構成されたチームが、ECサイト運営企業の成長を支援し、日本の EC 市場の発展に貢献することを目指す。
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BOOST by boost health
(メンタリング担当:UB Ventures 頼嘉満氏)
boost health の「BOOST」は、企業のパフォーマンス向上を目的とした「攻めの社員ケア」サービスを提供している。従来のメンタルヘルスケアが不調後の対処に終始していたのに対し、このサービスは予防と成長に焦点を当てている。具体的には、AI ツールとデータを活用し、社員の心理状態を把握・分析。その上で、心理士やキャリアカウンセラーによる個別支援を組み合わせ、ストレス課題の特定と具体的なアクションプランの策定を行う。
こうしたアプローチにより、ユーザのポジティブ感情が平均50%向上したり、生産性指標も12ポイント上昇したりするなど、数値で効果を示せることが強みである。主なターゲットは広告、金融など知的労働が中心の企業で、従業員あたり年間10万円以上の単価を目指している。さらに、蓄積したデータを活用し、マネジメントツールや保険商品開発にも展開する構想を持つ。創業者のマッキンゼーでの経験を基に、人材の重要性に着目し、本質的な社員サポートを通じて企業成長を支援することを目指している。
DouDouDoujin by DouDouDoujin
(メンタリング担当:サイバーエージェント・キャピタル 近藤裕文氏)
DouDouDoujin は、従来の出版社のエコシステムに属さない世界の漫画クリエイターが、自身の作品に音声や翻訳を加え、ファンとの交流を深めることができるプラットフォームだ。翻訳された作品やボイスアダプテーションを含めた派生作品の投稿も奨励し、派生作品も含めクリエイターらに収益が還元されるため、原作者のみならず二次創作に関わる全ての参加者が公平に利益を得られる。プラットフォームでは、クリエイター有料販売時には20%のマージンを得る仕組みだ。
市場規模は世界の VR 市場とオーディオブック市場を合わせて2,800億円と推定されている。単純な音声付き漫画から始まり、翻訳、イベント、ゲームなど、徐々に複雑で高付加価値な商品へと発展させていく計画だ。また、SNS インフルエンサーや海外の事務所との連携により、多くのフォロワーを持つネットワークを活用して事業を展開する。創業者の経歴や国際的なチーム構成を活かし、グローバル市場を視野に入れた展開を目指している。
設計 AI エージェント by ミラリンク
(メンタリング担当:Spiral Capital 千葉貴史氏)
ミラリンクは、製造業のDXに取り組むスタートアップで、特にエンジニアリングチェーン(新商品の開発プロセス)の改善に焦点を当てている。彼らは、過去の設計ノウハウを効率的に活用し、新商品開発を加速させる「設計 AI エージェント」を開発した。この AI は、設計に関わる全ての情報を検索・回答し、図面の類似性検出や3D モデルのリスク検証など、さまざまな機能を提供。これにより、設計開発時間を2,600時間から1,300時間に削減することが可能となる。
ミラリンクの目標は、日本の製造業が世界で売れる新商品を生み出す力を取り戻すことだ。彼らは、設計市場だけでなく、将来的には調達のマーケットプレイスへの展開も視野に入れており、新商品開発における全ての課題を収益源にできると考えている。このサービスを通じて、日本のものづくりを再び世界 No.1にすることを目指している。既に多くの商談が生まれており、導入費用と1社当たり月額20万円の課金モデルを検討中だそうだ。
WAKE Career by bgrass
(メンタリング担当:iSGS インベストメントワークス 佐藤真希子氏)
bgrass は、労働市場におけるバイアスと多様性の問題に取り組む HR サービス「WAKE Career」を提案している。このサービスは、企業のダイバーシティ環境を診断し、バイアスを可視化するツールを提供する。また、AI を活用して採用プロセスにおけるバイアスを排除し、公平な評価を促進する。特に女性や外国人など、マイノリティの雇用機会の向上に焦点を当てている。
WAKE Career の特徴は、企業側と求職者側の双方にアプローチすることだ。企業に対しては、ダイバーシティスコアなどの客観的データを提供し、自社の課題を認識させる。一方、求職者、特に女性に対しては、自信不足などの内在的バイアスを払拭する教育も行う。将来的には、タレントマネジメントツールとの連携や、昇進・賃金におけるバイアスの可視化など、組織全体のダイバーシティ推進を目指す SaaS プラットフォームへの発展を計画している。
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Cheez by verbal and dialogue
(メンタリング担当:XTech Ventures 手嶋浩己氏)
verbal and dialogue は、プラント建設業界における工事写真の管理を革新的に効率化するサービス「Cheez」を提供している。従来、工事現場では法令に基づき1万枚以上の写真を撮影し整理・提出する必要があり、これに90時間以上の膨大な時間を要していた。 Cheez では、特許取得済みの技術を用いて、この作業時間を93%削減することに成功した。ある大企業での試験導入では、年間約5億円のコスト削減効果が確認されている。
現在、14社19現場で無料トライアルを実施中であり、ユーザ各社は強い継続利用意向を持っているという。1現場あたり月額20万円から40万円の料金設定を想定しており、来年4月までに前出の大企業では全社展開を目指している。今回の Incubate Camp 中に、創業者はメンタリングを通じて、組織づくりと事業拡大に注力するため、本社を東京に移転し、社名を Cheez に変更することを決定した。1年後には正社員15名体制を目指し、プラント業界に特化した SaaS ビジネスとして、大きな市場規模と成長を見込んでいる。
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Trash Technologies by Trash Technologies
(メンタリング担当:WiL 松本真尚氏)
Trash Technologies は、電子廃棄物から貴重な金属を回収し再資源化する事業を展開している。都市鉱山と呼ばれる電子機器に含まれる貴重な金属資源に着目し、廃棄される電子製品を回収・処理して金属を抽出する。現在の商流では、電子廃棄物の処理に高いコストがかかっているが、この企業は効率的な回収システムと先進的な処理技術を用いて、コストを抑えつつ価値ある金属を取り出すことを目指す。
彼らの成長戦略は、まず国内で廃棄物の回収と再資源化サービスを展開し、その後再生材の販売へと事業を拡大することだ。さらに、海外展開も視野に入れている。日本の資源リサイクル技術は世界トップレベルであり、この強みを活かしつつ、デジタル技術を導入してアナログ処理の効率化を図る。循環型経済の実現に貢献することを目標に、2030年までの IPO を目指している。22年の業界経験を持つ創業者のリーダーシップのもと、業界での知名度と実績を基盤に事業を推進している。
キャピタリスト賞(起業家がメンターのキャピタリストを評価)
- 2位 投資家 立岡恵介氏
- 3位 WiL 松本真尚氏
- 4位タイ Bonds Investment Group 野内敦氏、XTech Ventures 手嶋浩己氏
Incubate Camp は2010年から通算で16回開催され(今回を入れ17回)、283名以上を選出している。
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